ワープロ

イマドキの手紙や案内文は、WindowsパソコンにインストールされたMicrosoft Wordで作成する場合が殆どです。あるいは一太郎ユーザーもおられるかも知れません。

パソコンが普及する前、このような文書作成のための専用機があり、ワープロと呼ばれていました。

主なブランドに富士通OASYS、シャープ文豪、NEC書院、東芝Rupoがありました。今30代後半以降の方で利用していた方も少なくないと思います。

ワープロ登場以前、ある程度の規模の事業所には、日本語のタイプライターがあって、専任のタイピストが、写植する文字を差し替えていたのを思い出します。その前はガリ版印刷ですね。小学校の先生が一生懸命ロウ紙に鉄筆で原稿を作っていました。

ワープロ登場当時は高額で1台100万円近くしました。そのためやはり専任のタイピストがいて、手書きの原稿を渡してタイピストさんに文書作成を依頼する方法でした。

ワープロはどんどん普及し、コストもぐんと下がり、1部署に1台、あるいは、個人でも購入できる身近な存在に、記録媒体も8インチのペラペラのフロッピーディスクから、がっちりした3.5インチのフロッピーディスクやハードディスクへと変化しました。

ワープロの文字入力

特筆すべきは、文字の入力方式です。イマドキの日本語文字入力は殆どの場合、ローマ字変換です。JIS配列のキーボードにひらがなが刻印されていますが、これで入力している人は殆どおられないでしょう。アルファベット26文字の配列を覚える方が、日本語50文字の配列を覚えるよりずっと楽だからです。

しかしワープロ専用機では必ずしもローマ字変換が全てではなく、JIS配列でのひらがな入力が利用されることも多かったようです。JIS配列ではなく、50音配列で縦に、あ、い、う、え、お、と並んでいるキーボードもありました。富士通OASYSでは、親指シフト入力という特殊な入力方式、キーボードを採用されており、手の形とか人間工学に基づいて設計された画期的なもので、パソコンの時代になっても親指シフトにこだわる、熱烈なユーザーが少なくありませんでした。

自分の場合は、新入社員で貿易担当になり、タイプライターのブラインドタッチを徹底的に仕込まれたので、ずっとローマ字入力で、親指シフトは経験がありません。